2009年1月27日火曜日
こずえ見上げて
ここのところ、毎週筑波に出かけている.先週は曇りと小雨で、日中の明るさがずっと変わらないように思える日が続いたが、今週は抜けるような青空だった.早朝 1 限の講義に向かう時に空を見上げると、キャンパスのあちこちで、空に向かって枝を拡げる大きな木々があった.木の幹から枝が分かれ、その枝がまた枝を発して、先端はどんどん細くなり、青い背景に黒い細密画が描かれたようだ.枝の分岐パターンは規則的なわけではなさそうだ.気ままに分かれたものたちが、細かく細かく空間を埋め尽くして美しい.生き物の系統樹を思い浮かべた.多様性とはこの空間を埋め尽くす美しい細かな枝のように思える.また、人の世界を思い浮かべた.気ままに自由にうごめく人々が、世を継ぎながら少しずつ埋め尽くしてゆく世界は美しいのではないか.自由に動けぬ苦しさ、いらぬ仕切りが個々の振る舞いをむやみに邪魔するしくみがあると、いびつに歪んだ無惨なこずえになるのではないか、そんなことを、とりとめも無く考えた.
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