2009年1月3日土曜日
驚異の食玩
保育園の息子と街に出かけたところ、マーケットの菓子コーナーに並んでいたロボットの食玩をねだられた.日曜日の朝にテレビでやっている戦隊ヒーロー番組に出てくるロボットのミニチュアプラモデルだ.300 円くらいだったので親バカの父親は買ってやった.ひと箱分は独立した乗り物になるのだが、それを変形して 4 つ組み合わせると、大きなロボットになるのだ.要するに、最初の一つを買った時点で、あとの 3 個を買わざるを得ない仕掛けになっている.このタイプの食玩は、今は小学校高学年の上の息子が保育園の時代にも既にあったのだが、実にすばらしいプラモデルなのである.一番初めに買わされて持ち帰った時は、値段から推して大したことはないだろうと高を括っていた.ところが箱を開けて組み立て始めてびっくりした.細部にわたるまでテレビのロボットをよく再現していて、パーツには、番組イメージに近い色付けがしてあり、色付けできないところには微小なシールを貼るようになっている.驚くべきは、一切接着剤を使わなくても済むはめ込み式になっていることだ.しかも合体変形ができるように各部が可動になっている.シリーズによって 4 つから 6 つくらいを買い集めてロボットに組み上げることになるのだが、買い集めてロボットに組み上げてみると、これがかなり大きい.私のほうが虜になってしまった.私が小学校低学年ころのプラモデルといえば、プラスチックの成型時に型から外した時にできる『バリ』と呼ばれるプラスチックの薄い板が接合面にはみ出しているのが常だった.プラモデル作りの時には、まずそれを削り取って、接合面がうまくかみ合うようにやすりがけで調整してから、接着剤を付けて、それからパーツを組み合わせた.接合面はきっちりとかみ合うわけではなかったので、押さえておかないとはがれてしまうため、輪ゴムで縛るなどして放置する時間が必要だった.色も高級なもの以外は単色であるのが常で、色はすべて自分たちで工夫して塗らなければならなかった.現在のプラモデルは、まるで私たちが子供のころに「こんなプラモがあればよいな」と夢に描いていたもののようである.そこまで考えて、ようやく気がついた.保育園から小学校低学年対象のテレビ番組のプラモデルがこんなに複雑であってよいはずはない.これは親が組み立てることを、おそらくはプラモデル作りが好きでこんなプラモデルの登場を夢見ていた親たちが『進んで喜んで』組み立てることを前提としているに違いない.おそらくは企画者か制作者も私たちと同年代の人々なのだろう.この正月に買わされた食玩プラモデルは、かつて私にそんなプラモデルを作ってもらって喜んでいた上の息子に組み立ててもらった.私はなんだか嬉しかった.でも、秘かな楽しみを奪われて、ちょっと寂しかったりもした.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
保育園生の息子は朝食の食卓についてもなかなか食べ進まず、些細な事で気がそれては食事半ばで遊び始める.台所が片付かないうえに登園時刻は迫るので、私も女房もイライラしてくる.そんな女房が今朝不思議な言葉を発した.「早くしなさい!ちんだらはんだらすな!」女房は九州の出身でふとした瞬...
-
科学の本って面白い 第6集 2003-2009年 連合出版 (2010 年) 1,575 円 いまから 10 年以上前のことになるが、地元の下田市立下田中学校で特別非常勤講師を 3 年間務めていたことがある.理科部および全校全生徒対象にいろいろと自由な授業をやらせて...
-
トチノキに興味を持ったのがきっかけで、木の名前を調べ始めた.ずいぶん前に買って「積んどく書籍」になっていた「 落葉図鑑 」が活躍しはじめた.南三陸町へ向かって三陸道を往復し始めた頃だから 6 月半ば頃のこと.調査用の公用車であるダットサントラックの助手席で、高速道路の脇を埋める...
0 件のコメント:
コメントを投稿