2012年1月14日土曜日
歩き方百人百様
街角のファストフード店の窓際に座って、食後のコーヒーを飲みながら外を眺めていると、外の街路を行き交う人々のいろいろな様態が見える.服の色、髪型、体型、同伴者との位置関係、子供の連れ方、荷物の携行の仕方など、様々に違っている.それぞれが個々の生きて来た履歴から吹き出している性状だと思うと面白い.服飾に関係なく、ヒトとしての本質に最も近い要素であるのに、まさに多種多様なのは歩き方である.上体の傾け方、上下左右への振れ方、下肢の曲げ方と延ばし方、歩幅の大きさや着地の仕方などはそれぞれに少しずつ違っていて、それらの組み合わせのあらゆるパターンが用いられているように思える.どうしてだろうか.皆がより効率のよい歩き方を知っているのであれば、歩き姿はもっと相互に似通ったものになるはずではないか.競歩というスポーツがあって、歩くスピードを競うのであれば、効率よく前に進む技術は研究が尽くされているはずだ.それなら、歩き方というものは、なぜほとんど教育されないのだろうか.それとも、近年は教育されているのに私が知らないだけなのか.水泳教室は広く普及していて、老若男女が通って効率の良い泳法を学ぶ.前方遠くからつかんだ水を、しっかりとかいて後ろに運び、手を戻す時には抵抗の少ないようにするなど、そんな諸々を実技で学び取る.でも、そこで学んだことはめったに日常で使うものではない.実用として役立つのは、普通の人には海水浴の時くらいだろう.それに比べると、歩くことは日常に必須である.なんとなくできているように思えることこそ、本当はおろそかになりがちなのだ.教育課程の中で、しっかり教えてみたら良いのではないだろうか.
登録:
投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
東京海洋大学で開催された国際甲殻類学会の東京大会はたいそうな熱気に包まれていた.世界各国から集まった研究者たちが其処此処で固まりあって話し合う姿が見られ,私たちもそんな輪の中に入って楽しい時を過ごした.研究材料を同じくするいわば同好の士が集うと話も尽きない.関連分野の研究のレベ...
-
『われから絵本』が完成し、ついに世に出始めた. 『ワレカラ』は古今集や枕草子 にも名前が出てきて、むしろ古代の人々の間でよく知られた生き物だったようだが、残念ながら現代では知名度がかなり低い.そのワレカラを、絵本にしてみた. 絵は、 大学時代の同級生でもともとは両生類の研究者...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...