2008年10月10日金曜日

かくれ上手のホソワレカラ

 海藻に棲むワレカラにも、潜って観察した時に見つけやすいものと、なかなか探し出すことのできないものがある.海藻につかまる時に上半身を持ち上げるタイプの種類は比較的に見つけやすい.一方、ホンダワラ類の海藻などの枝に体を伸ばしてぴったりと身を寄せて、体色も居場所に似せたまるで海藻に溶け込むかのような種類では、その存在を知ることが難しい.写真は野外で見つけたホソワレカラの雌で、ヤツマタモクの枝につかまっているのだが、眼の所在に気付かなければ、見つけられなかったと思う.ホソワレカラは藻場にも見つかるし、流れ藻からもしばしば採集される.ワレカラたちがいかに巧みに隠れても、海藻をよじ登りながらギョロギョロとエサ探しをするオハグロベラのような魚類は欺けないことが多いようで、魚の消化管内を調べると見つかるワレカラの数は多い.

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