2008年10月28日火曜日
パワポと板書
パワーポイントを使って講義を行うようになって、良いことづくめだと思っていた.カラー写真を示せるし、アニメーションで図や写真を重ねて見せたりすることもできるし、動画だって見せることができるようになったのだ.講義の準備の手直しを直前まで行うことすらできる.講義内容に沿った資料を学生に配付しておけば、学生はノートをとる必要もなく、講義内容を聞くことに集中できる.そう思っていた.少なくともパワポを使い始めたころは新鮮さもあってか、それは正しかったのだと思う.でも、パワポを使っている時の学生の表情が、虚ろな気がすることが最近多くなってきた.学生のせいとは限らない.慣れのせいか私から何かが抜けていってしまい、それが学生に伝わっているのかもしれない.最近 M 先生と話をしていた時、彼がパワポを一切使わず板書に徹していることを知った.ホワイトボードではなく、黒板での板書である.彼の意見では、板書の速度と学生のノートとりの速度がうまく合うこと、手を動かすことが大切なこと、それに板書には教員のソウルがこもるからということだった.私から抜けていってしまったような気がするのは、授業に対峙するための私のソウルかもしれないと、その時に思った.私の講義する教室にはホワイトボードしかないし、そのうえスクリーンとホワイトボードが重なっているために、パワポを使うとホワイトボードが使えない.でも講義進行の工夫次第で、パワポと板書の時間をずらすこともできるはずである.私も少しホワイトボードにソウルを込めるやり方を工夫してみよう.あらためて、そんな気持ちになった.教員も易きに流れてはダメなのである.
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