2008年10月11日土曜日
割れたハーモニカ
ひとりでぽつんと楽器を練習していると、何かトラブルのあった時に、それがどれくらい普通でないことなのか、あるいはどれくらいよく起こることなのか、皆目分からなくて途方に暮れる.ハーモニカでも難しかったし、今でも難しい.メンテナンスについてはテキストにはあっさり書いてあることが多い.また、ある程度詳しく書いてあっても、自分の直面している状況への解がなくて、途方にくれることが多い.よくテキストに書いてあるのは、使用後は唾液をよくきって、マウスピース付近はよく拭いて、風通しのよい所にしまうとか、密閉容器に乾燥剤を入れてしまうとかである.また、ブルースハープなら、ときどき分解してリードプレートを歯ブラシでこすったり、洗剤で洗ったりするようにとも書いてある.クロマチックでは、分解法や手入れの仕方、ネジの外のチューブの交換法やスライドグリスの使い方などの裏技的なことなども最近の T 先生のテキストには書いてあって、これはとても嬉しかった.もっともっと早く知りたかった.でも、テキストに載っていなくて分からないことはいろいろとあるのだ.最初の頃、もうずいぶん昔だが、ハーモニカに使われているネジや本体のプレートがやたらに錆びるので、使用後によく拭いて風通しの良い所に置くようにしていたが、全く改善しなかった.これは、自分の唾液が特殊なものであるのか、その量が尋常でないのかなど、いろいろ考えたが、どうも分からない.下田に住んでいて、海に近いことから潮を含んだ空気が届いているせいかと思い、TCHS (東京クロマチックハーモニカソサイエティ)のメーリングリストに聞いてみたら、そんなことは聞いたことがない旨コメントがあった.でも、仕方ないのでタッパーに保存するようにしたら、収まったように思えたので、海風のせいだったのかもしれないと、とりあえずは納得した.でもタッパーでは湿気がこもるといけないと思い、タッパーにたっぷりのシリカゲルを入れて、クロマチックを大事にしまってきっちりとフタをしておいた.しばらくして取り出して、大きなショックを受けた.クロモニカ270 とメロートーンの木部が無惨に割れていたのだ.乾燥させ過ぎたわけで、2ヶ所割れているものもあった.安いものではないので、悲しくて、対処の仕方が全く分からないので、またTCHS のメーリングリストに相談した.すると、今度は早速お返事を頂けて、ままあることだから心配しないように、そして木工ボンドで補修するようにとのアドバイスを得た.この時は本当に嬉しく、教えて頂いた通りに補修して、すぐに復旧できた.そんなこんなで、あれこれ試みながら、自分なりの方法に行き着いて、今は保管している.ブルースハープはマウスピースをエタノールで拭いた後タッパーの中へ、クロマチックはマウスピースをエタノールで拭いた後タオルでくるんで風通しの良い室内へ、というところである.あとは時々の分解掃除だ.それでもクロマチックは時々黴びるし、何となく錆びやすい.そんなわけで、皆それぞれに自分の居場所で手入れの工夫をしていて、対処法が異なるためにメンテの正解のようなものがないのかなと思い始めている.楽器自体に手入れについての説明書の添付がないのもそのせいか、手がかかるからこそ可愛いのか、などと自分を納得させているのだ.
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