2008年12月15日月曜日

携帯ラジオ

 私は、自分が運転していない時には車に酔いやすい.自家用車やバスの中で本など見ようとしようものなら、たちまち気分が悪くなる.どうも俯く体勢が良くないらしい.車の中で地図を見る時はなるべく上の方に掲げるようにする.それでも長い時間見ているのは無理である.そんなわけで、バスの中では本が読めない.東京から筑波に向かう高速バスの中などで、本や論文を読んでいる人を見かけると、つくづく羨ましくなる.長距離バスの中ではずいぶんと時間がある.考えごとばかりしているのも何だか疲れる.iPod にイヤホンを付けて音楽を聴いていても良いのだが、どんなにたくさんの曲を入れておいても、いずれも既知の曲である.疲れている時などに音楽に浸るためなら良いのだが、何かしら新しい情報を頭に流し込みながら時間を少しでも有効に使いたい時には、聞き覚えのある曲を繰り返し聞くのは少し悲しい.役に立つのはラジオである.私の仕事鞄には、いつも携帯ラジオが入っている.イヤホンが本体収納式になっていて、使用時には引っ張って引き出し、収納時にはボタンを押してスルスルと中にしまい込む.FM, AM, TV 音声 を受信できる.バスに乗る時には、こいつが頼もしいし、楽しい.いまどきのイヤフォンと違って、片耳しかふさがれないことにも安心感がある.とくに AM 放送は情報量が多い.ふだん考えもしないような内容を聞くことができる.今夕、東京駅から筑波大に向かうバスの中では『世界の観光地の専門日本語ツアーガイドが現地で行っている観光ガイドをやってみせるシリーズ』というのを聞いていた.今回は、ナイアガラの滝のガイドだった.観光客を楽しませるためによく練られたエピソードとその語りは、大変に興味深かった.授業や自然観察会での話の仕方に活かせるかもしれないと、ちょっと思った.携帯ラジオの出番は他にもある.新幹線の中では、FM ラジオで音楽放送チャンネルを受信することができることもある.それに、何か災害があった時にも、ラジオが身近にあれば、デマに惑わされず情報収集を行うことができるだろう.携帯ラジオは偉いヤツなのである.

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