2009年2月24日火曜日
描かれた間接効果
夕食後、子供たちが居間から去って寝床に向かったあと、子供たちの消し忘れたテレビのチャンネルをいじってみたところ、江戸時代の絵画がいろいろと紹介されていた.長沢蘆雪の絵もいくつか出てきて、思わず見入ってしまった.去年の夏には上野で迫力と可愛さの混じった虎の絵を見たけれど、他の絵についてはよく知らなかった.番組の中で3幅の掛け軸からなる床の間の絵が紹介されていて、真ん中にはネズミを手に高く掲げる男、左にはそのネズミを狙って見上げる猫が描かれていた.そして右手にはのどかに餌をついばむ雀があった.解説では、男がネズミによって猫の気を引いているおかげで雀は平和に餌取りができると、そんな光景を表したものだと言う.男の行為が廻り廻って雀を利しているという、いわば群集内の間接効果を蘆雪が意識して描いていたことになる.あの大きな虎の襖絵の裏の絵についても紹介されていて、これも面白かった.虎と虎が襲いかかる相手である観覧者を模して、猫とそれが狙う鯉の絵が裏側に描かれているのだ.食う食われる関係についての面白いシャレである.現代生態学の世界に在れば、蘆雪はよい群集研究者になっていたに違いない.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
オオバモクはホンダワラ類の海藻の中で もとりわけ変わった存在であると、私は思っている.ホンダワラ類の海藻のきわだった特徴といえば、丈が数mに達するために、藻体を水中で立たせて維持するための浮き(気胞)が枝葉の間にたくさん付いていることである.浮きの形や大きさは種によってさまざま...
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
震災後の2011年7月1日からラジオ体操が日常のルーチンになったので、5年目突入だ。7月20日から今年も夏季巡回ラジオ体操が始まった。毎回の放送のはじめに開催地の解説があるため、体操自体は時間が微妙に短くなる。イントロのウォームアップ体操が2種類から1種類になり、第1体操と第2...
0 件のコメント:
コメントを投稿