2009年2月17日火曜日
下田の雪
全国公開臨海実習の 2 日目である.今年は 7 大学からの参加者が集った.昨日までは春の嵐が吹き荒れて海に出られるような状況ではなかった.ところが、船からの採集を行う午前中までには波風は嘘のようにおさまって、海に出るのには良いコンディションになった.ただ、朝方からずいぶんと冷え込んでいた.実習の開始前に寒い思いをしながら採集道具の準備を行っていたら、なんと空から白いものがちらつき始めて、やがて吹雪のような様相になった.下田では雪は珍しい.それが、ものすごい勢いで降り始めたのだ.私達はワカメ採集の船上作業を降りしきる雪の中で行なうことになり、ずいぶんと冷たい思いをした.ただ、雪の中での作業はなんだか心楽しくて、おそらく参加学生諸氏にも良い思い出となったことだろう.でも、雪が降っていたのは私達が海に出ていた 1 時間半くらいの間のことで、全員が実習室に引き揚げてサンプル処理の作業を始める頃には、すっかり止んで青空さえのぞき始めた.午前中の雪中作業は、今となってはなんだか夢の世界の出来事のようである.
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