2008年9月11日木曜日
ウニの前後
今回の実習の自由研究で、ウニという生き物に前後があるのかを調べた班があった.ムラサキウニでは、棘の短い方を前にして進み、横に動くことはあっても後退することがないということだった.一方、棘の長さに偏りのないバフンウニでは、特定の方向のみに動くことはなかったらしい.これらのウニの背面中央に位置する肛門の周囲には5つの生殖口があり、その近くにウニの水管系の水の取り入れ口である穿孔板がある.その存在によってウニの背面は完全な放射相称ではなく、左右相称になっている.その位置がムラサキウニの棘の長さや進行方向に関係あるのではないかと思って学生たちに調べてもらったが、全く関係ないという結果が得られたらしい.興味深い話だ.追試してみたい.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
新種を作ったことがある.大学院時代に発見した種名の分からないワレカラをよく調べたところ,過去に未記載の種であることが分かり,新種としての論文記載を行って発表したのである.ヒドロ虫類の茂みに棲んでいるワレカラだったのだが,体の表面に毛が少なくて光沢があったので,ラテン語辞典を調べ...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
東京海洋大学で開催された国際甲殻類学会の東京大会はたいそうな熱気に包まれていた.世界各国から集まった研究者たちが其処此処で固まりあって話し合う姿が見られ,私たちもそんな輪の中に入って楽しい時を過ごした.研究材料を同じくするいわば同好の士が集うと話も尽きない.関連分野の研究のレベ...
0 件のコメント:
コメントを投稿