2009年1月1日木曜日
初詣に猿
大晦日の深夜に地元の氏神様に参る習慣が数年前まではあった.しかし、夜中の寒い時間に参拝の行列に並ぶほどの根性が失せて、数十年にわたるその習慣はついえた.元旦にゆっくり起き出して、午後から地元の氏神様に続いて池上本門時に参拝に出かけた.70 歳くらいの年齢幅の一団がのそのそ歩く速度は遅く、人ごみの中では、はぐれやすくもある.今年は例年よりもかなり人出が多い気がした.不景気だと参拝客が多くなるとの通説があるから、今は不況であるに違いない.96 段の階段を登って大堂内にまで何とかたどり着くと、まるで満員電車の中である.案の定我がファミリーの 2 名がはぐれて行方不明になったが、猿回しをやっているところになんとなく皆集まってきて、すぐに再会できた.おそらく我らは猿回しを好む家系なのだろう.前回同じ場所で見た猿回しは若い男性がやっていた.今回は可愛らしい若い女性が演じていた.猿と女性との掛け合いが素晴らしくて、見ていて気持ちの良くなるショーだった.そんなわけで、前回はご祝儀無しだったけれど、今年は猿回しの女性に惹かれて、前のほうの列にいた子供たちにご祝儀を託して、女性の持ちまわる籠に投げ入れてもらった.このような場合、まことに女性は得なのである.女性といえば、正月に着物を着た女性を見ることは、きわめて稀になった.30 年ばかり前には私の父は日本橋の呉服問屋に勤めていた.そのため、当時は、初詣の参拝の往復経路の中で、父が着物を着る女性の参拝客数をカウントして、その年の景況を占っていた.しかし、やがて、モニタリングのデータが 2 桁に達しなくなるようになると父の仕事先は立ち行かなくなり、モニタリングは不要となって、カウントの習慣は無くなった.久々に私が今年試みてみたところ、往復おおよそ 1 時間の行程の中で見かけた着物姿の女性は 1 名のみだった.彼女の着ているのは、ずいぶんサイケでへんてこりんなパステルカラーの柄の着物で、奇妙に丈が短かった.残念ながら、ふつうの着物美女に会いたいという、新年最初の望みはかなわなかった.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
野鳥というのは、ヒトがある一定の距離以内に近づくと、忽ち逃げてゆくものだと思っていた.カラスもそうだったはずだ.ところが、最近、ずいぶんに近くまで寄っていっても、 なかなか逃げてゆかないものが多い気がしている.1 m より短い距離まで接近しても目が合っても、平気で柵や樹木の梢や...
-
震災後の2011年7月1日からラジオ体操が日常のルーチンになったので、5年目突入だ。7月20日から今年も夏季巡回ラジオ体操が始まった。毎回の放送のはじめに開催地の解説があるため、体操自体は時間が微妙に短くなる。イントロのウォームアップ体操が2種類から1種類になり、第1体操と第2...
-
雨の降りしきった先週の朝、出勤のために農学部北門から入構して歩いていたら、ぬれた道路を小さな黄土色のものが這い回っていた. カタツムリに似ているがドングリのような形の薄く繊細な感じの殻を背負っている.見かけたことのない生き物だった.30 個体は居たのだけれど、通勤のために構内を...
0 件のコメント:
コメントを投稿