2009年1月20日火曜日
焼きそばパン
昼食時にゆっくり食事をとっている余裕のない時にはパンを買う.午前 10 時を過ぎると学類講義室のある建物の書籍部の脇のスペースでパンの販売が始まる.下の階には焼きたてパン屋の常設店舗があるが、単価が高くて節約を旨とする我ら貧乏教員向けではない.それに、店員の声がハイテンションに賑やかなのもなんだか落ち着かない.2 階のパン屋は昼食時をはさむ時間帯のみに現れる.棚の上に袋入りのサンドイッチやら菓子パンやらをずらずらっと並べて、商品がほぼ売り切れたら撤収する.講義からオフィスに戻る途中の場所にあることも好都合なので、たいていここでパンを2-3個買う.30 年以上昔に実家の近所にあったパン屋のパンのような素朴な味わいだ.私が買いに出かける時間が遅くなければ、ここにはたいてい焼きそばパンも置かれている.私も 2 回に 1 回くらいは買う.焼きそばパンというのは、ティーンエイジャーのパンであるような気がする.中学生や高校生が、学校の購買部の周りや商店街のパン屋の店先で焼きそばパンを買い求めて頬張る姿は、なんだかサマになると思う.いま筑波に来る折に時々食べてみて、そんなに優れて美味しいものではないと思うけれど、ただ、食感とかソースの味わいとか紅ショウガの途中参戦とかの織りなす奇妙な味わいに、何だかよく分からない幸福感がある.あんぱんや焼きそばパンは、日本人の編み出した創作パンだろう.焼きそばパンが青春の味であれば、あんぱんから私が抱くイメージはサラリーマンだ.仕事の合間や電車の中で、おもむろに袋から取り出したあんぱんを口にくわえながら、新聞を開くイメージだ.自分を投影しているのかもしれない.いつもの 2 階のパン屋には、あんぱんがたいてい 1 個だけしか置いていない.焼きそばパンはゴロゴロと並んでお客を待っている.あんぱんは、やはりここでは場違いなのかもしれない.
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