2009年1月24日土曜日
深海ファミリー
全然形が異なるために別種とされていた異なる 3 科に属する深海魚が、実は同一グループの幼魚時代と雄と雌であったことが判明したそうだ.科のような高次の分類群に分けられていたものが同一種として併合されるとは、驚くべき話である.きっかけは遺伝子解析だったらしい.これによって、成魚の見つからなかったリボンイワシ科、雄しか見つからなかったソコクジラウオ科、雌しか見つからなかったクジラウオ科という異なる 3 科がクジラウオ科ひとつにまとめられることになるという.浅海の魚類であれば、形態情報に生態についての情報を付加することによって形態や色彩の異なる雌雄や幼体を同一種に位置付けることができることも多い.魚類ではないが、私もかつて、別種とされていたワレカラが同種の雄と雌であることを生態調査と飼育実験によって示したことがある.今回のようなユニークなタクサ併合は、生態についての情報を得にくい深海なればこそ生じたものであろう.おそらくは、海の中には別種と分類されて実は同種の動物たちが、まだまだ人知れず暮らしているはずである.なんだか愉快な話ではある.
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