2009年3月14日土曜日
ワカメの観察会
小学生を対象とした自然教室の新シリーズとして昨年度から『ワカメのひみつをしらべよう』を始め、本日2回目が実施された.参加者は 15 名であったが、下田のみならず東伊豆からの参加もあり、数名が昨年からのリピーターであったことは嬉しかった.実施側からすると 15-20 名という人数は眼が行き届いて行動の小回りもきくため、指導を行いやすい.はじめにワカメを見ないでワカメの姿をイメージで A3 サイズ紙の半面に描いてもらった(右の写真:子供たちの絵を黒板に拡大転写したもの).すると、最初から正しい姿を描いているものはなく、ひとりひとりの表現が見事に異なっていた.当然のことではあるが、子供たちが描くイメージの幅が各々の経験に関わっていそうなことが見てとれて、大変に興味深かった.それからイントロ講義をササッと行い、下田のワカメとヒジキについてのオリジナルソングを披露した.下田がワカメとヒジキ双方のタイプ産地(新種記載のための元になる標本の採集された場所)であることをアピールするために私が作ったものだ.ブルースなので大人には少しばかり受けていたけれど、子供たちはなんだかぽかんとしていた.その後、全長 2 m 前後のワカメの実物を班毎に実験机いっぱいに広げて、さきの A3 サイズ紙の残の半面にスケッチを描いてもらった.そして、熱湯による変色実験、めかぶからの遊走子の泳出観察と遊走子の顕微鏡観察へと移行した.つづく調理法の体験コーナーのあと、最後に卒業試験が行われた.いりこだし、カツオだし、ワカメだし、だしなしの4種類の汁をテイスティングして、どれが何かを当てるのだ.当たらなければ、列の後ろに並んで再挑戦になる.当たれば、修了証をもらうことができる.今回の子供たちは高率で正解していた.そして、全員修了証を受け取った時点で解散となった.指導側の大人も子供たちも終始楽しく過ごすことができたあっという間の 3 時間だった.指導サイドは各々の持ち味を活かしてお互いをサポートしあいながら、良いチームワークだった.扱う生物素材がどんなに素朴なものであっても、経験豊かで前向きなスタッフが集まれば、実のある時間を紡ぎ出すことができるし、楽しい.指導する側とされる側の両者が楽しめるということは、インパクトのある自然教室を実施するための必須条件だと思う.
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