2008年12月1日月曜日

新聞のページ

 インターネットが世界を覆うようになった世の中でも、毎日届く新聞は私にとって最も大切な情報源のひとつだ.Web は気の向いた時にしか覗かないし、何かを見たり調べたりする時はどうしても検索の範囲が自分の興味のある特定分野に偏ってしまう傾向がある.新聞は忙しかろうが何だろうが否応無しに毎日朝晩届く.数日放っておくと「早く読んでくれよ!」と山をなして脅迫してくる.新聞の提供する毎日少しずつの情報も馬鹿にはならない.例えば新聞の下の方に載る新刊書の広告をまめにチェックしていれば、久々に東京の大きな書店に出かけて新刊書のコーナーを見たときでも、ある程度目に馴染んだタイトルが並んでいるので、情報のギャップにびっくりしなくて済む.書店の新刊書コーナーに並ばないような地味な本を、新聞の広告から見つけ出すこともある.新聞には自分が元来興味をもっていること以外の情報も満載されていて、知らぬうちに眼を通していることも多いため、知識の偏りを補正してくれる気もする.1 ヶ月ばかり前のこと、混雑する新幹線の車内で、3 列シートの通路側に座っていたら、通路をはさんで向こう側の 1 列前の 2 列シートの通路側、私から見て左前のシートに座っていた 50 歳代くらいの品の良い感じの女性がおもむろに朝日新聞の朝刊を取り出して拡げて読み始めた.年配の女性が電車の中で新聞を拡げて読んでいるのをあまり見たことがなかったので、ちょっと新鮮な風景に思えてしばらく様子を見ていたら、新聞の 3 面記事から開いて後戻りするように読み始めた.私も同じような順番で新聞を読むことが多いので、ちょっと親近感を抱いてしまった.池上彰著の『新聞勉強術』という本によると、人は新聞の左ページに眼が行きがちなので、新聞記事というのは奇数ページにより重要な情報を載せるそうである.また、同じページであれば、左上ほど大切な情報が載っているらしい.だから、急いで新聞を斜め読みする時は、左のページ中心に左上から眼を走らせれば良いので、そのためには後ろから開いてゆくのは、けっこう効率の良い方法なのである.新聞がどんなつくりになっているのか、考えながら読み直してみるのも面白いものである.

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