2008年12月22日月曜日
段ボールのトランスフォーマー
最近、こちらで顕微鏡を購入した折りに、たくさんの梱包用段ボール箱を業者が置いていった.大小いろいろな大きさのものが山積みになっていた.顕微鏡を構成する部品は多く、精密機器であるために、どの部品も別個に梱包されてくる.そのため、たとえ 1 台の顕微鏡であっても必然的に段ボール箱の数が多くなる.今回は実習用にまとまった数の顕微鏡を購入したため、箱の数もかなりのものであった.これまでの経験では、このような大小の段ボール箱には、いろいろな形状の白い発泡スチロールが組み込まれていて、ゴミに出す時は粉が飛び散るのを気にしつつ、適当な大きさに砕きながら市指定ゴミ袋になんとか詰め込んでいた.今回も、そんな作業を覚悟していた.ところが、箱を開けてみると発泡スチロールの姿はほとんど見られなかった.わずかにコーナーの押さえや、箱のすみの充塡材に使われている程度である.発泡スチロールに取って代わっていたのは、段ボールだった.複雑な立体の顕微鏡部品を箱の中でうまく保持するために、込み入った構造のくぼみが必要になる.それを段ボールをうまく折り込んで組み上げることによって実現していた.しかも、驚いたことには、かつての発泡スチロール片の一塊に相当する段ボールブロックの一塊をほぐすように開いてゆくと、 1 枚の大きなダンボール紙に展開できるのである.組み立てには糊もテープも使われておらず、全てはめ込み式なのだ.コンピューター上で、CAD(コンピューター支援設計) のようなもので設計するのだろうか.ちょっとした芸術品である.いっしょに作業をしていた S さんは「これは、まるでトランスフォーマーのようだなあ!」と感嘆していた.かなり高度な折り紙のようなもので、これができるのなら、たいていの形は 1 枚から組み上げることができるのだろうと思われた.あまりに良くできているので、大きくて形の美しいものを 4 種類ばかり選んで、子供たちへのみやげに持ち帰った.子供等は大変に喜んで、開いたり閉じたり、おもちゃの飛行機や自動車の基地にしたりして遊び始めた.一方、年末のゴミ減らしの時期に、余分なゴミを持ち込まれた女房には、にらまれてしまった.
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