2008年9月17日水曜日
ヤマカガシの上半身
昼休みに、背後に崖の迫った草むらの中をヘビがゆくのを見かけた.草のしげみが右から左に向って溝状に揺れて、赤っぽい斑の背がしげみ越しにチラチラと見えた.ヤマカガシだった.不意に逆S字に曲がった体が草むらから現れて、周りの様子を窺うかのようにススッと回転し、頭が私の方を向いて止まった.5 m以上の距離をはさんで、一瞬目が合ったような気がした.すぐさま体はもとのライン上に戻り、草むらの揺れ動きはそのままスピードを上げると、やがて気配は崖近くの樹の根方へ消えていった.その時ふと思った.草のしげみがもっと深かったら、ヤマカガシは体をもっと高く持ち上げたのだろうかと.周囲を見渡したい高さに応じて持ち上げられる体の部分は長くなるのだろうか、体長比でどれくらいまで持ち上げられるのだろう、と次々に疑問が湧いてきた.そもそもヘビに上半身はあるのだろうか、腰というものはあるのだろうか?
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