2009年7月30日木曜日
みすず飴を楽しむ
みすず飴が好きだ.『みすず飴』は長野県上田市に在る飯島商店の菓子で、果汁と水飴などを寒天で固めたものだ.もう 10 年以上も前のことだが、長野県出身の学生が帰郷した折りに土産として持ってきてくれたものを、初めて賞味した.『飴』という名前とゼリー状の中身のギャップに当初は驚いたが、なんだかその味と食感の不思議な取り合わせが気に入ってしまった.その後、筑波大の菅平高原実験センターに行くために上田駅で新幹線からバスに乗り換える時などに、駅構内の土産物店で好んで購入するようになった.一度、バスの乗り換え時間がとりわけ長かったときに、周辺散歩がてら上田城まで歩いて行ったことがある.そのときに、城址のある方面に上ってゆく坂道沿いの左手にある飯島商店の前を通った.店の入口あたりから中を覗き込んだだけだったのは、店の造りがずいぶんといかめしくて、なんだか気後れしてしまったためだ.ついに店内には入らなかった.駅の土産物店でみると、みすず飴には小さなサイコロブロック状のものもあるようだ.しかし、やはりあの直方体のものが絶対に良いと思う.紙包みタイプのものもあるが、味の種類を示す果物の名前とワンポイントの絵が付されたレトロな感じの透明セロハン包みが好もしい.口腔内でわりに大きな容積を占めるあの立体を頬張って、舌先でときどき転がしながらできるだけ長くその原形を維持しようとするのだが、やがてガタゴトと崩れてゆく.その過程での舌触りの変化と流れ出してくる味覚を楽しむのである.テーブルの上に幾種類か転がして本を読みながら順番に食べている時に、両手でセロハン包装のつまみのところを左右に引っ張ってすんなり開くものと開かぬものがあることに気付いた.中身を包んでひねるときの方向が両側で揃っているときと反対になっている時があるのだ.包装は機械によらぬ手包みで、それゆえに職人による癖が出るのだろうか、それとも機械包みでもこのようになる理由があるのだろうか.つまらぬことだが真相を知りたくなった.真剣に調べようとすれば、すぐに答えの出ることかもしれないが、なんだかそれではつまらない.しばらくはあれこれと想像してみたい.まずは、同様な傾向が一般的なものなのか、他の飴菓子などでも調べてみよう.
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