2009年7月9日木曜日
ノギスと仲良く
生態学の臨海実習ではノギスが大活躍する.海水に浸けるために、普通の金属製ノギスではなく、プラスチック製の耐水ノギスを使う.今回の実習では、ヤドカリの殻サイズの計測とカニの甲羅サイズの計測で大活躍した.ノギスの使用などほとんど経験のない学生達、カニにさわったことのない学生達などなどが磯に出かけていって、岩陰にしゃがみ込んでは或るグループはヤドカリを片端から捕まえ、他のグループはカニを追いかけ回しては甲羅を押さえ込んでバケツに放り込む.実験室に連れて帰ると生かして海に返すことができないことが多いため、調査目的をしぼり込んで計測項目をできるだけ減らして、捕まえるはしから現場で計測し、計測後のものは他と混ざらぬようにバケツにストックしておいて、全計測が終わって他に移動する時に一気にリリースしてやる.数百個体の計測を行ううちに学生達はいつの間にかノギス使いに慣れ、最初のうちはカニに度々はさまれて騒いでいた者たちも、やがてカニあしらいに長けてくる.ノギスと仲良くなって、まるで手指の一部のように感じられ始めた頃に、計測は終了となる.
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