2009年2月2日月曜日

キャンパスの銅像

 つくばのキャンパス内には、銅像が立っていることがある.自然の風景は、ふつう人の感性に余分な負荷をかけない.しかし、建物や像というものは、それをそこに設置した人が作り上げたイメージに基づく風景のデザインを、善かれ悪しかれ人に押し付けてくる.その場に居合わせる人間には、作り上げられた風景を拒絶する資格はないようなので、何となく像の存在に居心地の悪さを感じる時は、自分好みに作り変えてみたくなる.銅像に何か着せたり、被せたりしたくなる時、そんな心持ちが多少はあるのではないだろうか.東京の JR 浜松町駅にある小便小僧にはいつも有志の人々が季節に合った衣装を着せてやって、今では街の風物詩になっているが、あれも存外最初のきっかけはいたずら心だったのではないだろうか.浜松町の像ほどではないけれど、つくばキャンパス内の『大気』と名付けられた像にも、季節によっていろいろな物がくっつけられている.クリスマスにはサンタの服を着ていたし、夏は浮き輪のような物を持っていた.不遜ながら、時々通りかかる私には楽しい見物である.像高がかなり高いので、梯子でも持ってきて、作業をしているはずで、大変ないたずらである.いつも同じ人がやっているのか、特定のサークルがやっているのか、付けるばかりでなく外すこともやっているのか、あるいは大学側が外しているのか、そのあたりのことは全く分からない.いまは、節分の鬼の面を付けている.筋骨隆々とした立派な赤鬼である.

0 件のコメント:

閲覧数ベスト5