2009年2月18日水曜日
テーマに沿って
私達が実施する臨海実習では、実習の始めに班別の研究テーマ設定を行なってサンプル処理や解析を進め、最終日前日にまとめの研究発表会を行なうことが多い.実習全体を通じて目標を持って作業を行うことができるため気合いが入るし、期限までにまとめるための緊張感もある.現在実施中の 5 泊 6 日の実習ではフィールド作業がはじめの方にあって、あとは実習室での実験操作が主である.実験では、分析機器にサンプルを入れてからデータが出てくるまでに短い場合でも1 時間、長い場合には 12 時間以上を要する.慎重に下準備をしてから分析にかけるわけだが、結果が出てくるまでは準備操作が適正であったか否かは分からない.待ち時間には自分たちの研究の内容紹介の時間をもうけたり、次の実験操作に向けての準備を行ったりするのだが、機器での分析結果が出てそれを見るまではバックグラウンドに緊張を伴う.どこかしらの実験プロセスで失敗があると必要なデータは全く得られないため、班単位で実験操作の振り出しに戻ることになる.成功すれば喜びもひとしおで、最後の発表会に向けての準備にも気合いが入る.失敗のあった時には時間調整しながらまとめができるようなフォローを行なう必要がある.期間の限られた実習は、学生たちにとっては関門をくぐりながらリスクを背負って進む練習となり、指導教員と大学院生 TA(ティーチングアシスタント:実習指導補佐)にとっては楽しく学んでもらうための雰囲気づくりと背骨の通った実習となるような舵取りに心を配る鍛錬の場となる.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
野鳥というのは、ヒトがある一定の距離以内に近づくと、忽ち逃げてゆくものだと思っていた.カラスもそうだったはずだ.ところが、最近、ずいぶんに近くまで寄っていっても、 なかなか逃げてゆかないものが多い気がしている.1 m より短い距離まで接近しても目が合っても、平気で柵や樹木の梢や...
-
震災後の2011年7月1日からラジオ体操が日常のルーチンになったので、5年目突入だ。7月20日から今年も夏季巡回ラジオ体操が始まった。毎回の放送のはじめに開催地の解説があるため、体操自体は時間が微妙に短くなる。イントロのウォームアップ体操が2種類から1種類になり、第1体操と第2...
-
雨の降りしきった先週の朝、出勤のために農学部北門から入構して歩いていたら、ぬれた道路を小さな黄土色のものが這い回っていた. カタツムリに似ているがドングリのような形の薄く繊細な感じの殻を背負っている.見かけたことのない生き物だった.30 個体は居たのだけれど、通勤のために構内を...
0 件のコメント:
コメントを投稿