2011年3月21日月曜日
最終回の脱稿
昨年 4 月からの 1 年間、静岡新聞の連載『静岡海描』の下段にある研究者コメントコラムのおおよそ 200 文字をほぼ毎週書き続けてきた.月曜日掲載だったのだが、素敵な水中カラー写真が顔の連載だったので、紙面がモノクロの時は休載となった.だから、『ほぼ』毎週である.先週末に、ついに最終回を脱稿した.ひと安心した.生物カメラマンの阿部秀樹氏は毎週写真を提供して私より遥かに分量の多い原稿を書き続けてこられた.いつもどこかしらに取材旅行に出かけておられる身で、よくぞ続けてこられるものだと感心しながら、私はその尻尾にしがみついてきた.最終回は海を漂う幼生の話で、海原にぽつんと漂うある底生生物の幼生が写っていた.こいつもやがて脱皮して変身して大人になるのだな、と思いながら原稿を書いた.大きな災害で人も物も大きなダメージを受けて、途方にくれているこの国も、人々が力を合わせて見事に脱皮して、そして前にも増して立派な体となって歩んでゆけるとよい.一日も早くそうなることを心から祈りながら、今できる支援を少しずつでも続けてゆきたい.
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