農学部のキャンパスの近くに中学校があって、校庭でソフトテニス部の生徒たちが練習をしている.夏頃だろうか、近くを通りかかった時に、生徒のひとりの背に「無二の一球」という言葉が見えた.被災地での調査を始めた頃で、どんな調査を行えば最良なのか、幾度となく自問自答していたので、その言葉が忘れられなくなった.現地での調査は時間が限られているので、何もかも行うことはできない.でも、しっかりとあとに残って皆の役に立つようなデータを取らねばならないはずだった.毎回の調査を無二の一球としたかった.もうすぐ1年が経つ.毎月何度も被災地での海中調査に通って来たけれど、私たちの調査は無二のものであったか.そんなふうに振り返ると、反省すべき点は次々に湧いてくる.取り返しのつかないような苛立ちすら、いくつも浮かんでくる.でも、本当の評価は後になってからでないと行うことができないはずだ.私たちにできるのは、いまベストを尽くすことだ.できる限り、ありのままの姿を科学的に刻んでゆくことなのだ.まだまだ、毎度毎度を少しずつ振り返りながら、修正を加えながら、日々が無二の一球となるように、努めるしかない.
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ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
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オオバモクはホンダワラ類の海藻の中で もとりわけ変わった存在であると、私は思っている.ホンダワラ類の海藻のきわだった特徴といえば、丈が数mに達するために、藻体を水中で立たせて維持するための浮き(気胞)が枝葉の間にたくさん付いていることである.浮きの形や大きさは種によってさまざま...
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東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
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図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
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震災後の2011年7月1日からラジオ体操が日常のルーチンになったので、5年目突入だ。7月20日から今年も夏季巡回ラジオ体操が始まった。毎回の放送のはじめに開催地の解説があるため、体操自体は時間が微妙に短くなる。イントロのウォームアップ体操が2種類から1種類になり、第1体操と第2...