2011年9月13日火曜日

定禅寺ジャズフェスでのハーモニカ

仙台駅 3 階で演奏中の吉田ユーシンさん
 10 日土曜日の午後のこと、デスクワークに飽いて、ひとりで定禅寺ジャズフェスティバルの会場へと出かけた.いろいろな締め切りに追われているので、とてもフラフラゆったりとは過ごせない状況だったが、どうしても聴きたい演奏がひとつだけあった.吉田ユーシンさんのハーモニカライブだ.吉田ユーシンさんはブルースハープを吹く人なら知らぬ人はない名プレーヤーである.『アタラクシア』という CD も出ているし、凄まじいまでに詳細にブルースハープの扱い方と演奏の仕方を述べた教則本も出している.でも、私自身はこれまでライブ演奏を直接聞いたことがなかった.ライブの行われたのは不思議な場所だった.仙台駅の 3 階フロアが 2 階に向かってせり出しているバルコニーのようなところがステージで、観客はここからの演奏を 2 階フロアで仰ぎ見ながら聴く.演奏者は下に向かって乗り出さないと観客が見えないし、観客は首の角度を固定したままで 50 分ばかりの時間を過ごす.双方ともに妙な具合に辛い案配だった.仕方なし.演奏は伴奏無しやら CD 伴奏付きやらといろいろだったが、後半に向かってだんだんに盛り上がって行く感じだった.でも、観客の居る場所は駅構内ということもあって、事情の分かっていない旅行者や通勤客が行き交うなか、聴衆だけが頭を上に向けている状態は、傍から見ると奇妙だったに違いない.曲目は トレインサウンドに始まり、「アメージング・グレースを演ったかな?はっきり順番を覚えていないので、間違っているかもしれないが、イン・ア・センチメンタルムードジョージア・オン・マイ・マインドサマータイムと朝日のあたる家メドレーが続いたと思う.14 時 46 分には今年の定禅寺ジャズフェスに特別な約束事である鎮魂の A 音を鳴らした.1 分間吹き続けるのはさすがに苦しいようで、ベンドがかかったり、コードっぽくなったりした.A 音は駅前の他の会場からも聞こえて来た.近くに居た人が「いつまで音合わせやってんのかなあ」と仲間と話していたのが、可笑しかった.鎮魂黙祷のあとの残り時間は、枯れ葉の演奏だった.ブルースハープばかりでなくクロマチックも登場していたと思う.演奏が盛り上がって来て、もっと聴きたいなあ、と思った頃に、ライブは終了した.駅から歩いて大学のオフィスに戻り、仕事を続けた.疲れよりも心身ともにリフレッシュした感が勝り、仕事がはかどった.

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