2010年10月1日金曜日
納豆パックを洗う
ふとした事に、なんだか不思議な快感の伴う時がある.無限プチプチとか無限エダマメとか無限缶ビールといったおもちゃが売られているが、これらはそのへんに乗じたものだろう.なんでもない触覚が、奇妙に魅力的なことがあるのだ.納豆パックにそれを感じた.昔は豆腐屋に藁に包まれた納豆が売られていたが、最近の納豆はすっかりパック入りばかりになってしまった.かつてはパック入りは臭くて、納豆本来の風味が無いなどと言われたこともあったようだが、技術の進歩のおかげか、私たちの鼻が馬鹿になったせいか、パック入りで安売りの 3 段重ねや 4 段重ねを買うのが当たり前になってしまった.食事時にパックの中で添付のタレと辛子を入れてよくかき混ぜて、食事のおかずにするのだが、食後のパックには納豆のヌルヌルがへばりついている.これを洗うのが、私には奇妙に楽しい.水をかけつつヌメヌメを洗っていると、あるところを境にまるで霧が晴れるように、納豆の名残が消え去る.パックの白さが急に眼にまぶしくなり、暖かみのある弾力感が指先に突然触れてくる.あの感じが心地良いのだ.例えて言えば、イカの皮を剥く時やナマコを切り開いて内臓を取った後に内側の筋を取り除いて真っ白な内壁を出そうとしている時の感じに似ている.でも、これらは納豆パックに敵わない気がする.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
昨夜遅く台風13号が下田のすぐ側を通過していった.今回は雨台風だった.今年は夏の始めから全く台風の接近がなく、今回が初めてだった.台風が接近すると船の陸揚げ作業があり、台風が去ると近隣の漁師ともども総出で浜掃除を行い、構内のゴミを片付ける.雨漏りやガラスの割れ被害などのあるとき...
-
どうも動物を飼わずにはいられない気質のようである.よくよく考えてみるとこの 30 年間、たえず何かしら生きものを飼い続けてきた.研究の一部であったこともあるし、子供のためのペットとしてのこともある.途切れたことがない.魚、カニ、ヤドカリ、エビ、カエル、ワレカラ、タナイス、ウニ、...
-
18 世紀のアウトサイダー的絵師である伊藤若冲が、八十歳台の晩年に描いた大屏風が見つかったらしい.伊藤若冲といえば、今年の 7 月 24 日に出かけた東京国立博物館での『対決 巨匠たちの日本美術』で、とても印象的な 2 つの絵を見た.『仙人掌群鶏図襖』の生々しいまでによく描き...
-
今日の午前中は A 大学の臨海実習でプランクトン採集を行った.午前9時に船着き場から研究調査船『つくば』( 18 t、30 人乗り) に乗船した.下田沖約 2.5 km の採集地点に向う途中、2 km ばかり進んだあたりの海上をアゲハチョウが一頭舞っていた.モンキアゲハかナガサ...
-
私は本屋に入って手ぶらで出て来ることがほとんどないうえに、本を捨てることも滅多にない.研究関連の本はとくに発行部数が少なく、古書店で安くなることもなかなか期待できない.書店に姿のあるうちにとりあえず捕まえておく.だから溜まる一方だ.決して読書速度が速いわけではないので、未読本が...
0 件のコメント:
コメントを投稿