2009年3月1日日曜日
耳の穴とワカメの葉
日曜の朝のテレビ番組でもっとも素晴らしいのは『所さんの目がテン!』だと思っている.ずいぶんと昔から続いている科学や雑学の番組で、私も 10 年以上昔に海藻関係の放送の時にお手伝いしたことがある.今朝の放送では 3 月 3 日が近いということで『耳の日』にちなんで『耳』についての話題で、耳の形態のもつ意味や携帯プレーヤーの音量の及ぼす影響、それに耳掃除について、いずれも興味深い実験や調査の結果が述べられていた.中でも面白いと思ったのは、耳垢の話だった.私は外部のほこりがトラップされて耳あかができると思っていたのだが違っていた.鼓膜から耳の開口部までのトンネルの内側は鼓膜周辺から常時細胞が更新されることによって、内側から外側に向けてベルトコンベア式に細胞シートが動いていて、古くなった部分が耳垢になるという.このため、耳の奥には耳垢が溜まらず、耳掃除は穴の浅い部分だけでもよいという.これには本当にびっくりしたが、なんだかワカメに似ているとも思った.ワカメは付け根側の生長点で伸長するために、藻体はベルトコンベアー式に末端に移動してゆく.普通の陸上植物を見る時のセンスだと末端ほど新しいような気がするが、ワカメでは末端ほど古くてボロボロになってくる.そうしてみると、ワカメの末端はワカメの耳垢のようなものだということになる.
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