2009年3月11日水曜日
ガガンボ哀れ
パソコンに向かって仕事をしていたら、蛍光灯の光に向かって飛んで来た糸くずの塊のようなものが私の側頭部を通過していった.びくっとして避けながら目で追うと、それは交尾しながら飛行しているガガンボのペアだった.春を感じた.それから 2 時間も経った頃だろうか.デスクの左サイドに並んでいるファイルキャビネットの側面あたりでにわかに激しく空気が動いた.はっと身を引いてキャビネット側面の壁に眼をやったとたん、再度空気がざわついて、その場所から1匹のガガンボが慌ただしく飛び立った.ガガンボのいた場所に眼を戻すと、そこにはハエトリグモに押さえ込まれた 1 匹のガガンボの姿があった.ハエトリグモの顎にはさまれているらしい虫の体は 10 分ばかりも震えていたが、やがてその動きは止まり、次に眼をやった時には両者とも視界から消えていた.交尾中に襲われたガガンボのペアの片方が捕われ、片方は脱出したのだ.私にはガガンボの雌雄の区別はつかないが、きっと脱出したのは雌であろうと思った.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ウニは受精やその後の卵発生を観察するのに理想的な生物だ.入手しやすいうえに放卵と放精を誘導しやすい.種類によって産卵期が異なっているために、対象種を変えてゆけば一年中発生の研究ができる点でも重宝されてきた.下田で実施される臨海実習では春期にはバフンウニを使い、夏期にはムラサキウ...
-
東京海洋大学で開催された国際甲殻類学会の東京大会はたいそうな熱気に包まれていた.世界各国から集まった研究者たちが其処此処で固まりあって話し合う姿が見られ,私たちもそんな輪の中に入って楽しい時を過ごした.研究材料を同じくするいわば同好の士が集うと話も尽きない.関連分野の研究のレベ...
0 件のコメント:
コメントを投稿