2009年5月1日金曜日
生け簀カゴの掃除
今シーズンの野外飼育実験が終わったので、まる 2 か月間海中に吊るしていた生け簀カゴ 8 個を全部引き揚げた.いちどすっかりきれいに掃除して干してから収納する必要があるため、揚げてきたカゴを屋外の海水水槽の端でタワシを使って掃除し始めた.しかし、内外にびっしりとヨコエビの巣や海藻が付着していて、しかもカゴの目の細かなところまでそれらが入り込んでいるために、タワシのみでは掃除しきれない.磯ガネで細かなところをほじりながら忍耐勝負のつもりで作業をしていた.そこに技術職員の S 氏が通りかかったので、カゴ掃除がいかに大変な作業かを訴え「何とかならないものですかね」と言うだけ言ってみた.同情してもらいたい気持ちが 8 割くらいで、他に方策があるなどとは期待していなかった.ところが、思わぬ返答が返ってきた.「こりゃ、高圧洗浄機でやったら、楽だよ」と言われたのだ.すぐに機械を出してもらって操作を習い、カッパの上下を着込んで新兵器を試してみた.まったくもって、信じられないほど作業が容易になった.高圧水をノズルから吹き付けると、カゴの目や溝に潜り込んだヨコエビの泥の巣が跡形もなく吹っ飛んでゆく.ロープ上にこびりついた海藻などもあっと言う間に姿を消して、カゴの内外は瞬く間にきれいになった.当初は夕方までの作業を予定していたのに、全部のカゴ掃除が 1 時間も経たぬうちに終わってしまった.人にものを尋ねることの値打ちを今日ほどどっしりと感じたのは、久々の事であった.S さん、ありがとう!
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