2009年5月26日火曜日
いつも円卓
台湾で現地の人々と夕食をともにするときは、いつも円卓だった.人数によっていろいろなサイズの円卓がある.10 人以上の人が集まるようなときは巨大な円卓に御馳走がゾロゾロと並ぶ(下の写真).小さな食堂には小さな円卓があって 4-5 人で囲む(右の写真).円卓につくとみな楽しそうだ.自分の取りたい料理をたぐるために卓を回したり、客人に料理を勧めるためにクルリクルリと動かしたり、どの料理もくまなく全員に行き渡る.上座やら下座やらがないのもよい.大きな卓では向かいの人との距離が遠くなるため、話をするときは近隣の人とするしかないが、遠いところにいる人とは独特のやり方でコミュニケーションを図る.まっすぐに座っていると円座なので視野の中にかなりの人数が入る.すこしだけ視線を動かせば、いろいろな人と目が合う.目が合ったら『**さん、乾杯!』と(中国語で)言って、手元にある小さな杯に入った酒を相手と共に飲み干す.そして、杯の底を相手に見せる.これを視野に入る相手すべてと行なう.一度杯を交わしても、相手から指名されたり、ふと目が合ったりしたら、再び杯を掲げることになる.杯の容量は小さめの猪口程度なのだが、注ぐ酒はたいていかなり強いものだ.ウイスキーなどの場合もあったが、高粱酒であることが多かった.馬祖にも金門にも高粱酒の銘醸があった.このため、まともに一気飲みを繰り返していると、すぐにひっくり返ってしまうことになる.よくしたもので、それぞれの席には水やウーロン茶のコップが予め配されていて、みな一気飲みのあとにはすぐに必ずそれらを飲んでいた.強い酒の喉ごしを味わった直後に腹の中でアルコール濃度を下げるのである.周りを見て私も真似をしたおかげで、倒れることなく高粱酒を存分に楽しむことができた.円卓は素晴らしい.高粱酒は素晴らしい.
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