2009年5月26日火曜日
カサガイもカメノテも
馬祖諸島でも金門島でも食卓に海岸動物が現れた.馬祖の東引では茹でたカメノテと茹でて味噌か何かで味付けした小ぶりのカキが夕食に出た.カキはひょっとするとケガキであったかもしれない(右上の写真).ケガキをむこうでは『棘牡蠣』と呼ぶようだ.カメノテ(左の写真)については現地の人々に上手な食べ方を教えてもらった.甲殻部を縦にして前歯にはさみ強く咬む.すると甲殻部が横に開くので、そこを手掛かりに殻を取り去って柄の部分の筋肉を引っ張り出してしゃぶりつくのである.はじめは多少のコツがいるが、慣れれば容易になる.皿に山盛りだったカメノテはすこぶるに美味で、皆が手を伸ばしてあっという間に食べ尽くされた.馬祖の南竿では昼食にベッコウカサガイ(右下の写真)が山盛りで出てきた.最初のうち口にするのにちょっと抵抗があったが、食べかけるとくせになりそうなほどに素晴らしかった.とくに背面の黒っぽい内臓のところが美味しい.餌が良いせいなのだろうか.ちょっと心配だったのは、こんなに景気よく獲ってしまって資源枯渇しないのかということだ.実際に生息している場を見る機会がなかったので、どれくらいの密度でいるのか分からなかったが、カサガイの大きさが揃っているうえに値段もずいぶんと安いことを考えるとかなり容易に採集できるのであろう.でも、貴重な磯資源を大事に上手に利用していってほしいものだと念じた.さりながら、この度はたっぷりと食べさせて頂いた.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
東京海洋大学で開催された国際甲殻類学会の東京大会はたいそうな熱気に包まれていた.世界各国から集まった研究者たちが其処此処で固まりあって話し合う姿が見られ,私たちもそんな輪の中に入って楽しい時を過ごした.研究材料を同じくするいわば同好の士が集うと話も尽きない.関連分野の研究のレベ...
-
『われから絵本』が完成し、ついに世に出始めた. 『ワレカラ』は古今集や枕草子 にも名前が出てきて、むしろ古代の人々の間でよく知られた生き物だったようだが、残念ながら現代では知名度がかなり低い.そのワレカラを、絵本にしてみた. 絵は、 大学時代の同級生でもともとは両生類の研究者...
0 件のコメント:
コメントを投稿