2009年4月27日月曜日

富士山いいな

 私が小学生の頃、カメラというのは全てフィルムが入っているものだった.撮影用フィルムを買う際には、まず白黒かカラーか、メーカーは富士かさくらかコダックかという選択があった.枚数は少なめなら 12 枚撮り、ふつうは 24 枚撮り、たっぷり撮るなら 36 枚撮りという具合に選んだ.撮影後はフィルムを現像に出して、画像を印画紙に焼き付けたものが帰ってくるまでは、写真の出来は分からなかった.そんなわけで、ここぞという光景に遭遇した時には構図に加えて絞りやシャッタースピードを変えながら、ひたすら枚数を撮りまくるしかなかった.実家に残っていた古い写真を取り出して見ている時に、未整理の箱からネガフィルムとそれを焼いた写真がたくさん出てきた.中に、36 枚のフィルムの 1 本が丸ごと全てほぼ同じ構図の富士山のものがあった.高速道路から撮ったものらしい.おそらく、東京の実家から父母の郷里である関西に夏休みを利用して出かけた時に、私が車中から撮ったものだろう.昔から富士山の姿が好きだったから、目前にそびえる大きな姿に感動して撮りまくったのだろう.写真が出来てきて、同じような写真が袋からぞろぞろ出てきたために、父に叱られたおぼろげな記憶がある.先日家族で沼津に出かけたおり、沼津市内から大きな富士山が見えた.その姿にいたく感動して、息子がデジカメ写真を撮りまくっていた(右の写真はそのうちの一枚).カメラのメモリー残量も十分にあるし、現像のための出費もないから、取り立てて叱る必要もない時代になった.でも、その後ろ姿を見て、遠い昔の自らの背中を見た気がした.われら、外観は違っていても、似た者親子なのである.

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