2009年4月13日月曜日
ウミホタルとの6ヶ月
昨年の 9 月に採集したウミホタルを飼い始めてから既にまる 6 か月が過ぎた.室温条件ではあったが私の部屋は冬期もエアコンを使わないので、夜間は野外海水温よりも温度が下がることもあっただろう.最初は半月に 1 回の換水を欠かさず餌もほぼ毎日やっていた.しかし、おっかなびっくりながら少しずつ間を空けていったところ、現在では換水は 2 か月に 1 回、給餌は 1 週間に 1 回である.それでも維持できることが分かってきた.もっとも、水温が上がってきたら再び頻度を増した方がよいのかもしれないし、もう少し給餌の頻度を上げたら、あるいはもっと増えるのかもしれない.まあ、そのあたりは今後調べてゆけばよいことだ.とにもかくにも無事に冬を越すことができた.海を知らないウミホタルたちにもずいぶんと大きな個体が現れた.加えて、新たに生まれた微小な個体たちも多く同居している.4 月になって室温が上がるとともに水が温んで来て、ウミホタルたちは明らかに活発になった.給餌するのは仕事を終えて帰宅する前の、たいていは深夜である.壁ぎわ灯のみ点けて天井灯を消す.そして、水槽のフタを開けて少量の餌を投入する.水底に落ちた餌の臭いに気付いて、まず近くに居たものがザワザワと動いて泳ぎ出し、しばらく蛇行した末に餌にたどり着く.その後、遠くからフワリフワリと離陸してきたもの達がやはり蛇行し、あちらこちらに寄り道しながら餌に向かってくる.やがて餌の周りはお祭り騒ぎになる.その経過を眺めるのが密やかな楽しみなのだが、春の訪れと共に、餌の投入に対する彼らの反応が速くなってきた.おかげで私は少しばかり早く帰宅できるようになった.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
東京と熱海の間を新幹線こだま号で頻繁に往復するようになっ て、気になるものがいろいろと見えてきた.ここのところどうも気になって仕方なかったのが座席の肩の部分に飛び出しているキリンの角のような突起だ.乗る時によって、有ったり無かったりする(右の写真がツノあり、左の写真がツノなし...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
『われから絵本』が完成し、ついに世に出始めた. 『ワレカラ』は古今集や枕草子 にも名前が出てきて、むしろ古代の人々の間でよく知られた生き物だったようだが、残念ながら現代では知名度がかなり低い.そのワレカラを、絵本にしてみた. 絵は、 大学時代の同級生でもともとは両生類の研究者...
-
東京海洋大学で開催された国際甲殻類学会の東京大会はたいそうな熱気に包まれていた.世界各国から集まった研究者たちが其処此処で固まりあって話し合う姿が見られ,私たちもそんな輪の中に入って楽しい時を過ごした.研究材料を同じくするいわば同好の士が集うと話も尽きない.関連分野の研究のレベ...
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
0 件のコメント:
コメントを投稿