2010年12月28日火曜日

網代のニギス

 下田と東京方面を往復する時は夜出発になることが多い.仕事が片付かずにグズグズするうちに早立ちが困難となるのだ.下田から上って車を走らせてゆく時には、どこかしらのスーパーで鮮魚の美味そうなもの、もしくは面白そうなものを探す.素敵に安いものがあれば購入して運ぶ.下田でスーパーあおきやマックスバリュに寄らずに発った場合には、途中を探す.伊東辺りだとやはりスーパーあおきかスーパーナガヤなのだが、下田発時間が遅いと、途中の店は閉店になってしまう.そこでよく寄るのが午後 11 時半まで営業している網代のヤオハンである.ネットで調べてみると、正式には熱海多賀店と呼ぶらしい.鮮魚コーナーのここしばらくの常連さんはカマス・アジ・イワシだったが、12 月 3 日の深夜に寄った時に沼津産ニギスを入手した.深夜のスーパーは半額食品なども多くてお得だが、ニギスたちは半額でないのに 4 匹で 72 円だった.あまり安いと、なんだか魚と漁師さんに悪い気がする.でも、ありがたく 4 パックばかり購入し、天ぷらで頂いた.独特の風味がある白身で、食感は優しく柔らかく、何ともいえずに美味かった.

2010年12月27日月曜日

水中失せ物のリターン

無事帰還したノギスと物差し
 11月 13 日に愛着あるノギスと物差しをうっかり失くしてしまった話を書いたが、その後の顛末についてコメントしていなかった.あの 3 日ばかり後、研究室の学生 S 君が自分の計測作業のために潜水した時に、私が落とした辺りで拾い上げてくれた.おかげで無事に私の手元に戻って来た.金属物差しの角がわずかに錆びかけていたが、軽くヤスリをかけて錆び止めしておいた.むやみに嬉しかった.水中で失くした物は、あまり強烈な流れがない場所で、海底に沈降する物体であれば、結構見つかるものかもしれない.今まででは、学生 N 君と潜水した時にアクリルハウジングに入ったデジカメを見失ったことがあり、これが最も高価な失せ物である.2 人で必死に探しまわっても見つからなかったために泣く泣く諦めて帰ったのだが、このカメラは 1 週間ばかりしてから地元のかつぎ漁師の婆ちゃんたちに拾ってもらうことができた.驚くべきことにハウジング内は浸水すらしていなかった.海女の婆ちゃんたちと我慢強かったオリンパスハウジングに涙が出そうなくらい感謝した.調査フィールドを共用していると人の道具を拾うこともある.カジメ調査に志太が浦フィールドに潜った時に少し錆びた物差しを見つけた.私の物ではなかったので、近隣のフィールドで仕事する K さんの物だろうと思い、持ち帰って手入れして黙って道具入れに立てておいた.K さんは次の調査準備時にすぐ気がついたらしく、照れ笑いしていた.

2010年12月1日水曜日

変なカメラ

 いつも携行していたデジカメが春頃に故障してしまっていたのだが、新しいカメラの購入は家計を圧迫するため、我慢を続けていた.Amazon.co.jp の『欲しいものリスト』や『カート』に候補カメラを入れたり出したりしながら、入手できる日を夢見ていた.しかし、ついにチャンスがやって来た.年末に至って海外調査の予定が入り、そのうえお世話になった先生の喜寿のお祝い会も近づいて来た.いずれにも記念すべき得難き瞬間、撮影すべき場面があるに違いない.これは絶対にカメラがないといけないと、ついに自分と家族を納得させる購入の理由ができた.資金は連載の執筆料数回分を当てる.何しろ、予定外収入なのだから大丈夫なのである、と予定外収入はローンの繰り上げ返済に使うという計画を反古にしてしまった.
購入したカメラは Canon の Powershot SX130IS である.携帯にはちょっと大きめだが、10 年前の標準的なデジカメよりは小さめであるから文句は言えない.フィールド研究者のカメラだが、防水機能はない.あくまで日常生活における私用カメラである.機種を選定した理由の第一は値段が安いことで、実売価格は 1 万 5 千円以下だった.しかも、Amazon のスペシャルセールとかで、カメラケースが無料だったのだ.加えての理由は、画像がきれいで高機能なことであり、単三電池 2 個で動くことも魅力的だった.プログラム AE やシャッター優先撮影、絞り優先撮影が出来る機種が安いというのは嬉しかった.たとえ上手く撮れても、なんでもオートのカメラは面白くない.光学ズームも 12 倍だ.この機能でこの値段で良いのだろうかとちょっと不安なくらいだった.それなのに、何とビデオカメラ並みに動画も撮れるし、なんだか変なお遊び撮影モードもいろいろ付いていた.こいつは面白そうだと思い、魚眼レンズ風撮影モードで友人や家族の変な顔をたくさん撮ったが、本人たちが可哀想だし、名誉毀損になりそうなので、ここには載せない.代わりに『指定色以外を消す』という変なモードがあって、なかなか楽しかったので、撮影写真を載せてみる.庭に咲いていた花の黄色だけピックアップした写真と草の丘でそり滑りしていた坊主のそりの青色だけピックアップした写真だ.前者では花弁だけが浮き出し、後者では、服の袖の青色も写り込んで、なかなか素敵な写真になった.せっかく長い我慢の末に入手したデジカメである.その機能をフルに使わせて頂きたい.





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