2009年10月10日土曜日

磯歩きダイエット

 今年も臨海実習の折りに磯に出かけることが多かった.磯に到着すると干潮時をはさんで動植物の観察や採集をしながら 2 時間以上歩き回る.出かけている間は,転ばぬように滑らぬようにといった緊張もあってかそんなに疲れを感じないのだが,帰って来たとたんに体内に蓄積されていた疲労が急速に浮上してくる.平坦な道を歩いていたのとは明らかに疲れ方が違う.不規則なでこぼこを滑らぬように踏みしめて歩いたり,潮だまりを跨ぐために小さく飛び跳ねたりすることを,ほとんど無意識に近い状態で繰り返しているからだろう.最近磯に出かける時によく『磯がま』という道具を持って行く.先端に金属の鎌状フックがついている長さ一間ばかりの木の棒で,もともとは手の届かない場所の海藻を拾ったり巻き取って採集したりするための道具だ.これを片手に持って磯に出ると,けっこう歩きやすくて重宝する.ちょっと幅の広い水路を飛び越えたり,高さのあるところを飛び降りたりする時など,いろいろに役に立つ.腰への負担も軽減されることだろう.この磯歩きという活動はけっこうなカロリー消費を伴いそうだから,『磯歩きダイエット』などというものが流行ってもよさそうである.肘や膝にプロテクターを着けた老若男女が手にはオシャレなステッキを持って磯を飛び跳ねている様子を想像して,可笑しいような楽しいような心持ちになった.

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