ウニの観察会が開かれた.前日に採集した小型のムラサキウニを各人に『マイ・ウニ』として配り,各々大事に観察してもらった.小さなカップにたっぷりと海水を満たしてウニを沈めて,ななめ上から光を当てて実体顕微鏡で観察する.上側にある肛門,下側にある口をよくよく眺めてみる.あちこちで歓声が上がった.いろいろな印象が口からこぼれる.「ウニって,なんて美しいのだろう」,「いろいろな道具が備わっていて,弁慶みたいだ」,「なんだか吸い込まれそうで,宇宙みたいだ」などなど.やがて,「背中に可愛いハートマークがついてます」というコメントがあった.そんなふうに意識して見たことがなかったのだが,確かにウニの肛門の脇にきれいなハートマークが浮き出している.表面には細かな穴がたくさん開いているのが分かる.これは多孔板だ.穿孔板とも呼ぶ.大きなウニだとこんなに目立たないが,マイ・ウニたちの殻が小さい故にいっそう目立つ.ハート形だといちど言われると,他の形には見えなくなってくる.この場所はウニの体内への水の取り入れ口だ.ウニはここから取り入れた水の水圧で管足や叉棘を動かし,運動すると言われている.すなわちウニは水圧を利用して運動するのだ.同じ棘皮動物の仲間であるヒトデもナマコも然りである.筋肉をせっせと動かして暮らしている私たちから見ると,何とも不可思議な生きものたちである.マイ・ウニにはお昼までそれぞれの人間パートナーと付き合って頂き,昼には採集してきたバケツに戻って頂いた.そして,翌日午後にはもといた海に帰って頂いた.潮だまりの真ん中に放たれた小さなウニたちはせわしなく管足を動かして,岩陰を目指して移動していった.
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