2009年7月31日金曜日
宝探しのプランクトン実習
地元高校である県立下田高校の SPP (サイエンス・パートナーシップ・プログラム)の一貫として海洋プランクトンの観察会を行った.午前中のうちに高校生と先生方が研究調査船『つくば』に乗船してプランクトン採集を行い、午後にかけて採集生物の顕微鏡観察に励んだ.低水温のせいもあってかプランクトンの絶対量が少なく、参加学生たちは観察対象を採集瓶の中からピペットで吸いあげるのに苦労していた.ところがこのような時に限って、他の実習で見たことのないような生物が採集される.1 年間に私が担当しているプランクトン実習は SPP を除いても通常 5 回あるので、たいていの生物が見覚えのあるものとなってくる.ところが、それでも全く見たことのない生物に遭遇することが毎年 3-4 回はある.今回の SPP でも不思議な生物が見つかった.丸い傘の脇に袋のようなものがついていて、透明で柔らかなパーツの形が、定まった範囲の中で刻々と変わってゆく.その変化の様子を学生の1人が上手にスケッチしていて、それが何かと問われたのだが、どうもよく分からなかった.諦めかけたが、念のために図鑑に掲載の図や写真を片端から調べてみた.するとプランクトン図鑑の巻末に学生スケッチにそっくりの図が見つかった.フタツクラゲの幼生だと記載されていた.同じ種とは限らずともかなり近い種の幼生であることに間違いないように思われた.ふとした時にこんな発見があって、それが積み重ねられてゆくから、だからプランクトン観察の実習は面白いのである.ちょっとした宝探しなのだ.
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