2009年7月15日水曜日

早朝の伊東ダイビング

 ひょんなことから伊東で調査を行うことになった.こんな経緯である.
 伊東のオレンジビーチでは、繁茂していたアマモを大事に維持していた.夏が来ると打ち上げアマモが海水浴客の脚にまとわりつくため、海水浴客の邪魔にならぬようにと海水浴シーズンに入る前に地元ダイバーたちが潜って主に花株部分を刈り取っていた.砂浜の生物多様性維持のためのアマモ存続と海水浴客への配慮をバランスよく行っているということで、テレビでも取り上げられていた.ところが、今年になってアマモ繁茂期の 5-6 月を迎える頃に、アマモがすっかり姿を消してしまったのである.昨年の繁茂期には高さ 2 m に及んだアマモの群落が消えてしまったので、ダイバーたちは驚いた.そして、現況の把握と後に客観的な記録を残せるようにとの期待から、私たちの方に調査協力依頼が来たのである.
 調査を行った 7 月 15 日はビーチが既に海水浴客に開放されていたため、午前 9 時までには撤収するように市からは厳命されていた.集合は朝 6 時で、伊東の各所のダイビングサービスの代表の方々が当日の仕事前に集まって下さり、総勢 12 名のダイバーが 6 本の 50 m ラインに沿って枠調査を行った.全く下見調査なしなので、打合せに念を入れ、一隻のボートでピストン移送しながら、ラインを張るや一気に調査に取りかかり、午前 8 時半には完了.GPS でライン位置を記録して、全てのラインの撤収が完了したのは午前 9 時の 1-2 分前だった.すさまじい勢いとチームワークでプロのダイバーの方々が動き回る様子に感嘆した.終了するや、皆さん大急ぎで自分のショップに戻っていった.お客さんとの待ち合わせ時間ギリギリでウェットスーツを脱ぐ間もない、と大慌てだった.私は午前 4 時過ぎに下田を出たので、たいへんに長い 1 日になった.でも本当にすがすがしい 1 日の始まりだった.さて、結果から言うと、アマモはすっかり消えたわけではなかった.少なくともビーチの一画には残っていたのだ.でもほとんどのエリアで根こそぎ無くなっていた.残存カジメの状況や周辺生物の現況から、何が起こったのかを推理するのが、これからの仕事となる.
 調査の様子は 7 月 23 日午後 6 時 10 分からの時間帯に、NHK 静岡のニュースの時間枠内で放映される予定である..

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