2009年7月18日土曜日
味噌汁の下に澄まし汁
卒研生の初潜水作業に同伴潜水した.沖に出してもらったボートから海中を覗き込むと、ひどく水が濁っている.初潜水には向かない状況なので、あまり透視度が低かったらすぐに潜水を中止するつもりでいた.はじめのうち過呼吸気味でなかなか沈まない A 君に何とか海面下に入ってもらい、水深 10 m のカジメ海底基地付近に向けてゆるゆると移動していった.まるで味噌汁の中にいるようで、鼻先しか見えないし、なんだかむやみに水温が低かった.ところが、やがて深度 6 m を越えたところで、急に視界が開けた.らくに 10 m 以上見渡せる水塊に飛び出した.それと同時に一段と急激に水温が下がった.ダイコンが海水に馴染んだ頃合いに水温を見るとなんと 14.5 ℃ だった.真冬に近い海水温だ.味噌汁の下は冷たい澄まし汁だったのだ.監視がメインの仕事でカメラも持って来なかったので、目的の作業を黙々と続ける A 君を、じっと寒さに耐えつつ、震えながらタイムアップまで見守っていた.
登録:
コメントの投稿 (Atom)
閲覧数ベスト5
-
図鑑に写真が掲載されているせいか、 ワレカラモドキは ダイバーさん たちによる認知度がけっこ う高い種類である. ワレカラの仲間とし ては 3 cm を超えるサイズのものも あって大きめだし、 シロガヤやアカ ガ ヤな ど大きめのヒドロ虫の群 体の茂みに 隠れているので、比較...
-
ナマコの不思議な食事風景を見た.自宅の玄関に、いろいろな生き物を入れては眺めている小型の水槽があって、今はその中に大きさ 20 cm くらいのマナマコが入っている.食用に貰ったのだが、すぐには食べなかったので水槽に入れたまま、ペットになってしまったものだ.眺めていると、赤みを帯...
-
野鳥というのは、ヒトがある一定の距離以内に近づくと、忽ち逃げてゆくものだと思っていた.カラスもそうだったはずだ.ところが、最近、ずいぶんに近くまで寄っていっても、 なかなか逃げてゆかないものが多い気がしている.1 m より短い距離まで接近しても目が合っても、平気で柵や樹木の梢や...
-
震災後の2011年7月1日からラジオ体操が日常のルーチンになったので、5年目突入だ。7月20日から今年も夏季巡回ラジオ体操が始まった。毎回の放送のはじめに開催地の解説があるため、体操自体は時間が微妙に短くなる。イントロのウォームアップ体操が2種類から1種類になり、第1体操と第2...
-
雨の降りしきった先週の朝、出勤のために農学部北門から入構して歩いていたら、ぬれた道路を小さな黄土色のものが這い回っていた. カタツムリに似ているがドングリのような形の薄く繊細な感じの殻を背負っている.見かけたことのない生き物だった.30 個体は居たのだけれど、通勤のために構内を...
0 件のコメント:
コメントを投稿