2008年7月12日土曜日
ブルースハープの快感
やっぱり息を使う楽器がよいと思う。私にとってはハーモニカだ。ギタリストもバイオリニストもピアニストも手指を駆使して楽器に溶けるような姿で演奏し、楽器と自分は一心同体だとしばしば語る。でも、自分の体から吹き出した空気を操って、楽器の中に吹き込んで音をつくると、なにか楽器が体に吸い付いて来るような感じがする。これは息使い楽器独特の感じではないだろうか。でも、演奏しながら音に酔いしれた感じの表情をしてみせたり、観客席に向ってにっこり笑いかけてみせたりすることができないのは、ちょっと悔しい。ブルースハープはやはり音をアナログに上げ下げするベンディングが楽しい。出したい音をベンディングして探る。ちょっと口笛に似て、その自由な感じがいい。たった10穴の小さな楽器から出したい音がほとばしり、我を忘れてブロウするとき、快感が突き抜ける。
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