2010年10月1日金曜日
納豆パックを洗う
ふとした事に、なんだか不思議な快感の伴う時がある.無限プチプチとか無限エダマメとか無限缶ビールといったおもちゃが売られているが、これらはそのへんに乗じたものだろう.なんでもない触覚が、奇妙に魅力的なことがあるのだ.納豆パックにそれを感じた.昔は豆腐屋に藁に包まれた納豆が売られていたが、最近の納豆はすっかりパック入りばかりになってしまった.かつてはパック入りは臭くて、納豆本来の風味が無いなどと言われたこともあったようだが、技術の進歩のおかげか、私たちの鼻が馬鹿になったせいか、パック入りで安売りの 3 段重ねや 4 段重ねを買うのが当たり前になってしまった.食事時にパックの中で添付のタレと辛子を入れてよくかき混ぜて、食事のおかずにするのだが、食後のパックには納豆のヌルヌルがへばりついている.これを洗うのが、私には奇妙に楽しい.水をかけつつヌメヌメを洗っていると、あるところを境にまるで霧が晴れるように、納豆の名残が消え去る.パックの白さが急に眼にまぶしくなり、暖かみのある弾力感が指先に突然触れてくる.あの感じが心地良いのだ.例えて言えば、イカの皮を剥く時やナマコを切り開いて内臓を取った後に内側の筋を取り除いて真っ白な内壁を出そうとしている時の感じに似ている.でも、これらは納豆パックに敵わない気がする.
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