2010年1月27日水曜日

小さな骨折り

 目を覚ましてトイレに向かって廊下を歩き出したとたん、左足の小指に激痛が走った.予期せぬ場所に置いてあった木箱の縁に思い切り打ちつけた.足の小指をぶつけるとかなり痛むのはよくあることなので、いちど寝床に戻ってじっとして、痛みのやわらぐのを待った.あまり改善しなかったが朝から出張の予定だったので、往路の電車の中で良くなるだろうと楽観した.そして、むりやり革靴を履いて筑波に向かった.しかし、痛みは去らず、だんだんと歩くのが辛くなってきた.乗り換えの通路や階段が恨めしい.駅のエスカレーターの存在が何ともいえずに嬉しく、頼もしかった.なんとかその日のセミナー発表を終えて、最短距離の移動で夕食を手短かに済ませ、いつもは歩くところをバスに乗って宿泊所に向かった.むずむずと痛い一夜を過ごし、翌朝1限の授業やら学生指導のあと、総菜パンをかじってサッサと昼食を終えるや、大学の保健管理センターに転がり込んだ.そして、靴下を脱いで担当医に患部を見せた.事故時は明け方の暗闇の中であったし、打撲後にいい加減に絆創膏を巻いていたため、明るいところで指の様子を見たのはそれが初めてだった.ぎょっとした.本来上を向いているはずの爪が 90 度外側を向いている.薬指にそっぽを向いた感じだ.骨がきれいに折れたうえ、指先がくるっと廻っていた.麻酔注射ののち、手練の整形外科医師の技で上手に指先を回してもらった.うまい具合に指先が元の位置に戻ったことをX線で確認した後に、テーピング固定された.しばらくは安静である.小さな骨折りだが、歩くのにずいぶんと障りになった.それで、歩くのに小指がけっこう役立っていることを改めて認識した.しばらくはケンケンで飛び跳ねたり、横にカニ歩きをして過ごすことになる.もちろんフィンで冬の海を泳ぎ回ることも、当分は御法度である.

0 件のコメント:

閲覧数ベスト5