2009年8月30日日曜日
海ホテルを発見
ウミホタルの観察会をやっていているうちに『海ホテル』という妙な言葉が生まれてきた.ウミホタルに引っかけた言葉で、捕獲したウミホタルを観察会に出動させるまでの間に蓄養しておく場所のことを指していて、それはすなわち我々の臨海実験センターの海水流しのことである.ウミホタルを網目の細かいざるに入れ、流海水に浸して生かしておく.臨海実験センターでは 24 時間海水をポンプで汲み上げていつでも蛇口から使えるようにしているため、かけ流しで海水を供給することができるのだ.ここにウミホタルたちがふつう 1 -2 泊することになるため、なんとなく『海ホテル』と呼ぶようになった.海ホテルはウミホタルの宿所であって、その所在地はここだけだと思っていたのだが、つい先日、人間宿泊用施設の『海ホテル』を見つけた.国道 135 号線を熱海方面から下っていって、宇佐美の海岸に出る直前、下り坂から橋を渡る手前の信号で止まった時に左手を見上げると『海ホテル』という大きな看板が目に入る.略称なのか、あるいは看板の一部分が見えたのかなどの可能性も考えて、宇佐美周辺のホテルを調べてみたら、みごとに正式名称が『海ホテル』だった.自分たちのこさえた架空のヒーローがいきなり現実世界に現れたようで、なんだか、むやみに嬉しくなった.
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