2010年2月20日土曜日
半世紀経って気がついた
変だ変だと思いながらずっと過ごしてきて、ひょんな拍子に思わぬ事実が明らかになることがある.少なからず衝撃的な、そんな体験をした.たとえばエディ・バウアーのような海外の衣類を購入するとき、セーターにしてもシャツにしても、みな袖が長いので、西洋人というものは腕が長いものだと信じていた.ところが、よく考えてみると国産の衣料を百貨店で買うような時も袖が長めに思えることが多い.それについては、最近の若者は体型が細長く、腕もついでに長めなのだろうとなんとなく納得していた.つい先日、女房と動物番組に出てきた猿かなにかの話をしている時に、人の腕の長さの話題が出た.私が西洋人や最近の若者についての意見を前記のごとくに述べたところ、彼女はそれはおかしいと異議を申し立てた.そんなはずはないと言う.そこで、女房と腕の長さ比べをしてみることになった.私の方が身長は 5 センチばかり高いのだから、当然私の腕の方が長いはずである.ところが、驚くべきことに私の方が短かった.私の得た結論は『うちの女房は腕がとても長い』だったのだが、女房の方は納得しない.そして、子供達や他の成人サンプルにもあたってみた結果、自分はごくふつうであることを証明してみせた.驚いたのは私の方である.ほぼ半世紀も生きてきて、ついに自分の腕が平均よりもかなり短いことに気づくことになったのである.そういえば、思い当たることはある.思い出せないほど昔から、セーターの袖は必ず外側に折り返して着ていた.ジャケットの袖口からワイシャツの袖の白い部分が他の人のように覗いていないことが多かった.空手の突きがなかなか相手に届かないような気がしていた.明らかになった新事実をふまえて、これからは積極的な対策を講じてみたいと思う.鉄棒にぶら下がるわけではない.袖が短めの衣類というものを探してみる.おそらくかなりの数のご同類が地球の上には居るはずである.そう信じたい.
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